韓国旅行=ソウルだけ、はもう古いです。釜山の海雲台、慶州の世界遺産、全州の韓屋村、麗水の夜景──地方都市が一気にメジャーになって、KTX(韓国高速鉄道)を1回も乗らずに帰る日本人旅行者の方が少数派になってきました。とはいえ「ジャパンレールパスのノリでKORAIL PASS買えばOK?」と聞かれると、2026年からはルールが大きく変わったので、ちゃんと計算してから買った方がいいです。今回はKTXの基本料金、SRTとの違い、KORAIL PASS 2026の新ルール、そして「3日券で本当に元が取れる日数」まで全部まとめました。

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KTXとは?SRTとの違いを30秒で
KTXは韓国鉄道公社(KORAIL)が運営する高速鉄道で、最高速度305km/h、ソウル駅⇄釜山駅を約2時間30分で結びます。日本でいうとJRの新幹線そのもの、というイメージで合っています。
ただし韓国にはもう1つ「SRT」という高速鉄道があって、これは民間運営の別会社。出発駅が水西(スソ)駅で、ソウル都心の遅い区間を通らない分、釜山まで10分ほど短く、料金もKTXより約10%安いです。
| 項目 | KTX | SRT |
|---|---|---|
| 運営 | 韓国鉄道公社(KORAIL) | SR社(民間) |
| ソウル側起点 | ソウル駅 / 龍山駅 / 永登浦駅 | 水西駅 |
| 釜山まで所要時間 | 約2時間30分 | 約2時間20分 |
| 料金感 | 標準 | KTXの約9割 |
| KORAIL PASS対象 | ○ | ×(使えません) |
ここが超重要ポイントで、KORAIL PASSはSRTでは1回も使えません。SRTは別会社なのでパス対象外、必ず別途現金で買う必要があります。「水西発の方が安いから」と無計画にSRTで予約すると、せっかく買ったKORAIL PASSが1区間ぶん無駄になるので注意してください。
KTX運賃のリアル(主要路線・一般室)
KTXの一般室・大人・片道の運賃を、主要路線で平均値ベースに整理すると次の通りです。だいたい「日本円÷10」で韓国ウォン感覚が掴めます(1円≒9〜10ウォン)。
- ソウル → 釜山:59,800ウォン(約6,500円)/所要 約2時間30分
- ソウル → 大邱:平均 43,000ウォン台/所要 約1時間50分
- ソウル → 光州松汀:平均 46,800ウォン/所要 約1時間55分
- ソウル → 麗水EXPO:平均 47,500ウォン/所要 約3時間
特室(グリーン車相当)は一般室の約1.4倍。例えばソウル→釜山の特室は83,700ウォン(約9,100円)です。
なお、KORAIL公式アプリ「코레일톡(KorailTalk)」では出発1か月前から購入可能で、早期割引(早割)や週末・閑散時間帯割引が入る場合があります。最大50%引きまでいくクラスもありますが、外国人観光客がよく取る平日昼や金曜夕方の便ではほぼ正規料金、と思っておいた方が安全です。
KORAIL PASS 2026の新ルール
ここから本題のKORAIL PASS。2026年からフレキシブル(Select)パスが2/3/4/5日券すべての日数で選べるようになりました。これがかなり大きな変化です。
| 券種 | 大人 | 青少年(13〜27歳) | 子供 |
|---|---|---|---|
| 2日券 | 131,000ウォン | 105,000ウォン | 66,000ウォン |
| 3日券 | 165,000ウォン | 132,000ウォン | 83,000ウォン |
| 4日券 | 234,000ウォン | 187,000ウォン | 117,000ウォン |
| 5日券 | 244,000ウォン | 195,000ウォン | 122,000ウォン |
「選択した開始日から10日間以内に、券種の日数だけ自由に乗車できる」というルールで、例えば3日券を月曜にスタートしたら、その月曜から翌週水曜までの10日間のうち、好きな3日を使ってOK。これ以前は連続日のみだったので、ソウル滞在を挟みつつ釜山・慶州に行くプランがめちゃくちゃ組みやすくなりました。
ただし重要な制約が2つあります。
- 1日あたり座席予約は2回まで。たとえば「ソウル→釜山+釜山→慶州+慶州→ソウル」で1日に3区間乗ろうとすると、3区間目以降は予約不可で立席(自由席)または追加料金が必要になります。
- 対象は韓国国籍を持たない外国人パスポート、または滞在6か月未満のビザ保持者のみ。日本人観光客はもちろん対象ですが、韓国ワーホリで90日以上滞在予定の人は対象外になる可能性があるので公式FAQで要確認。
対象列車はKTX・ITX-新村・ITX-マウム・ムグンファ号などKORAIL運行列車のすべて。前述のとおりSRTだけ使えません。
本当に元が取れる?日数別シミュレーション
具体的に計算してみましょう。一番悩むのが「3日券165,000ウォン」です。
ケース1:典型的なソウル+釜山 1往復だけ
- 1日目:ソウル→釜山(59,800ウォン)
- 3日目:釜山→ソウル(59,800ウォン)
- 単品合計:約119,600ウォン
- 3日券:165,000ウォン
- → 単品の方が約45,000ウォン安い。3日券は元が取れません。
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ケース2:ソウル+釜山+大邱 3区間
- ソウル→大邱(約43,000ウォン)
- 大邱→釜山(約20,000ウォン・KTX)
- 釜山→ソウル(59,800ウォン)
- 単品合計:約123,000ウォン
- → まだ単品の方が4万ウォン安い。それでも座席予約の手間を一括化したい人は3日券を選ぶ余地あり。
ケース3:ソウル+釜山+光州+全州 4区間
- ソウル→光州松汀(約46,800ウォン)
- 光州→釜山(約30,000ウォン・ムグンファ+KTX)
- 釜山→ソウル(59,800ウォン)
- + ソウル都心からの近郊KTX 1区間(約20,000ウォン)
- 単品合計:約156,000ウォン超
- → 3日券165,000ウォンとほぼ同等。フレキシブル化されたので、追加で1区間KTXを使えばすぐ元が取れます。

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結論:KORAIL PASSは「KTX/ITX-新村クラスを4区間以上乗る・かつ3つ以上の都市を回る」が損益分岐点。逆にソウル+釜山往復だけ、というシンプルな旅なら、KorailTalkアプリで普通にKTX往復を買った方が必ず安くなります。3泊4日でソウル+釜山のみ、という王道プランの方には正直おすすめしません。
購入方法と座席予約のコツ
KORAIL PASSの購入は主に2ルートあります。
- KORAIL公式の英語サイト(korail.com/global):パスポート情報を入力してオンライン購入、QRバウチャーをスマホに保存。日本円ではなくウォン建てになるので、為替に注意。
- Klook / Trip.com / KKday などのOTA:日本円で決済できるのが最大のメリット。価格はほぼ同じですが、たまにOTAクーポンで5〜10%安くなることがあります。出発前にクーポンを軽くチェックしてから決めるのがおすすめ。
座席予約は購入後、KORAILの外国人サイトまたはKorailTalkアプリにパス番号を登録してから可能になります。1日2回までの制約があるので、釜山日帰りの帰りなど確実に座りたい便を優先予約してください。当日窓口でも座席を取れますが、釜山発の金曜夜・日曜午後はほぼ満席なので、出国前に主要区間だけはオンラインで押さえておくのが安全です。
最後にもう1つだけ。KTXは時刻通りにきちっと出発します。ソウル駅の高速鉄道ホームは在来線エリアと別の階にあり、初めてだと迷いやすいので、出発15分前にはホームに上がっておくのが安全です。改札は基本ありませんが、車内で乗務員さんが端末でQRをスキャンする検札スタイルなので、パスのQRをすぐ出せるようにしておきましょう(紙チケットでも可)。

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韓国の鉄道事情、JRと違うクセが結構あります。実際に乗ってみた日本人旅行者の感想や、現地の韓国人がおすすめする隠れた地方都市の情報が知りたい方は、キムチスシのコミュニティもチェックしてみてください。母国語のまま、韓国人とそのまま会話できます。
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